大好きな君へ
「美夕夏!帰るぞ」
『あっうん』
あたしは付き合ってからも、聖斗のバスケを見に行くのはやめなかった。
やめる気もなかった。
『聖斗、早い』
「美夕夏が遅いんだよ!」
付き合ってなかった頃よりも、聖斗はあたしをバカにしたりするようになって…でも、
「ホラッ」
そういって聖斗はあたしに手を出してきた。
『うん///』
あたしは照れながら、手を繋いだ。聖斗は、バカにしてくるけど、最後には手をさしのべてくれる。
そんな人だった。
『あっ!』
あたしは空を見上げた。X'masの日に降らなかった、雪が降ってきた。
「雪だな」
『うん…綺麗。羽みたいだね』
「おう」
あたしは、繋いでいた手をギュッとした。
聖斗と見た雪はすごく綺麗で、あたしの隣で空を見上げて雪を見ている聖斗はもっともっと、綺麗でカッコよかった。
「なんだよ。人の顔をジロジロ見て」
『えっ!見てないよ///』
「嘘つけ!」
『もう見てないってば//バカ』
あたしは、聖斗を押した。
「やっぱり見てたのかよ!」
『違うってば!もう!』
あたし達は、雪と同じように散ってしまうなんて知らなかった。