大好きな君へ

元カノ


あたしは聖斗ん家から出て、公園の近くを歩いてる時、誰かが公園の前にいて、こっちを見てきた。
あたしは、少し嫌な予感がした。だけどそれは、あたしの勘違いだって思ったまま歩いていった時、そこにいた女の人が

「ねぇ?」

そう言って、あたしを見た。あたしは、あまりにもビックリしていて黙ってしまった。
だけど、女の人は

「あんた聖斗の何?」

そう言って、あたしの腕を掴んだ。

『何って…彼女ですけど』

そう言うと、

「やっぱり…。泥棒猫…。聖斗を返して」

そう言って、あたしの方を向いた。

――この人 何?

あたしは、すごくなんか嫌な予感がした。やっぱりさっきのは…勘違いじゃなかった。

「アンタがいなかったら、聖斗は…。アンタがバスケなんか見にいかなかったら、聖斗はあたしから離れていかなかったのに」

あたしは、気が付いた。
この人が聖斗の元カノだって。
あたしは知らなかった。聖斗に元カノがいたなんて…それに、あたしがバスケを見に行き始めた頃に、彼女がいたなんて…知らなかった。


その聖斗の元カノは、泣いていた。
あたしは、中学の頃はただの親友みたいな感じだったのに、聖斗に彼女がいた時期があったなんて…


知らなかった。


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