大好きな君へ
何年も聖斗の近くにいたはずなのに、知らなかった。
あたしが聖斗と付き合って、嫌な思いしてる人がいたなんて…知らなかった。
聖斗?
あたし…今、分からないよ。どうしたらいいか…。助けて…
その時、
「美夕夏!」
誰かがあたしの名前を呼んでる。
「…聖…斗……」
そういって聖斗の元カノは、あたしから手を放した。
「ミユカ…。なんで明菜がいんの…」
明菜。聖斗…はそう言った。やっぱり元カノなんだ…
『………………』
何を言ったらいいか、あたしはわからなかった。
聖斗はあたしじゃなくて、元カノの方を見ていた。
あたしを心配してるんじゃなくて、元カノの方が気になるんだね…
「美夕夏…これ。」
聖斗はあたしに、マフラーを届けに来てくれたらしい。
『あ…ありがとう』
「おう。…それより、なんで明菜がここにいんだよ!何しに来たんだよ」
聖斗が怒鳴った。
ねぇ?聖斗は、今どんな気持ちで怒鳴ってるの?
「お前とは終わったはずだろ!!」
「あたしは終わったって思ってない!聖斗と一緒にいたいんだもん!!!」
元カノはそう言って、聖斗に抱きついた。