り☆birth彼女♪
第100話
「たっだいまー!」


陽も落ちた夕方、私達は家に帰って来た


「楽しかったね♪」


レンジが私に微笑みかける


確かに…ホントに楽しかった…


恋人になって初めてのデートだった


今までレンジとは遊びに行ったりとかはしていた


でも、恋人になってからのお出かけってのはやっぱり違う…


ドキドキしながら一緒に歩いて…


ホントに楽しい時間だった


「さてと…気分転換も出来たし…どうしようか…?アレ」


「あ…覚醒の話だね…」


そうだ…レンジの覚醒を目指した動きはしないとな…


あー…楽しい時間って凄く早く過ぎちゃうなぁ…


でも、そうは言ってられない…


レンジが覚醒について話し始める


「僕ってさ…その…カルマ…って死神だったんでしょ?」


「うん…そうらしいけど…」


「それでさ…なんて言われてたんだっけ?」


「えと…闘神とか…」


「闘神…」


レンジが闘いの神なんて…


正直信じられない


「…アンタが闘いの神なんて信じられないわ…」


「…自分でもそう思う」


自分でもそう思ってるのか…


「うーん…でもさっぱり思い付かないわ…」


「うん…なんだっけ?他にもあったよね?あだ名みたいの」


「あー…愛の死神だっけ………プッ♪」


「なんで笑うかな?」


「いや、だってダサいもん」


「……確かにちょっとダサいかも」


ダサい点ではレンジも少し納得してるみたいだ


「愛…か……」




レンジが私をジッと見る


「な…何よ?」


「あ…いや…」


いや、私を見ると言うより…


足…


スカートの方を見てる…!


私は慌ててスカートをおさえる


「ち、ちょっと!どこ見てんのよ!つか…な、何を考えてるのよ!」


「あ…いや…ゴメン…」


やっぱりレンジも男の子だわ…


まさか…襲いかかるつもりじゃないでしょうね…


「い、いやさ…その……後一週間でしょ?」


「う…うん…」


「その……試してみるというか…………試みるというか…」


「お…同じ意味なんだけど?」


「そ…そうだね…」


レンジは俯いてしまう


そして…沈黙が流れる…


確かに愛なんて言ったら…その考えも分かるけど…


レンジもそうだけど、私にとっても初めてだし…


お互い、沈黙を続ける…


き…気まずいわ…!



コチコチと…



時計の音だけがリビングに鳴り響く…












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