り☆birth彼女♪
第104話
エリさんにはほとほと困るわ…


呆れかえる私にエリさんは話を始める


「さて、レンジ君を覚醒させる話だけど」


「あ…うん…」


「残念ながらエッチじゃないわね」


「あ…そうなんだ…」


良かったわ…ムードは良かったけど…危うく捧げちゃうとこだったわ…


大体エリさん隠れて覗いてたし


「で…どういった方法なんですか?」


レンジが質問をする


「まずはその前に、死者の世界に入る方法のおさらいだけど、死者の世界には死者か死神しか入れないわ」


「うん、だからレンジを死神にするんでしょ?」


「そうね…だけど生きたまま死神の力に覚醒したところで人間は人間…死者の世界に入るには承認されない事がわかったわ」


「え、マジ?」


じゃあ…お手上げじゃないか…


「だからレンジ君を生きたまま死神にした上で強制的に死者の世界に入るしかないわ」


「強制的に…そんな事出来るの?」


「えぇ…普段は死者の世界と、この人間の世界には強力な結界が張ってあるの…」


結界…


「生きてる人間が間違って死者の世界に入らない様に、境界線があると捉えた方が良いわね」


まさか…


「エリさん…もしかしてその結界を…」


「そ、強制的に結界を一度解くのよ…一時的、かつ部分的にね」


「そ…それって許されんの?」


「ん?まぁ…重罪ね」


あっけらかんとエリさんは重罪と言い切る


「重罪って…どの位なんですか?」


レンジが罪の重さを質問する


「んー…100回死刑にされても足りないわね…」


「100回…」


レンジが唖然として呟く


「ま、どのみち私のそばにいて私の指示に従ってるからね…どっちにしろあなた達もタダじゃすまないわね♪」


「嬉しそうに言わないでよ…」


「まーまー……ナナはしてるわね?」


「は?何が?」


「その指輪よ」


指輪…レンジがくれたオモチャの指輪


学校はアクセサリーは禁止だから家に帰ってきた時とかお休みの時につけてるんだ


「で、レンジ君…あなたはしまってるの?」


「えぇ…普段はつけないですよ?恥ずかしいし」


「はぁ!?なんで私とのペアリングが!なんで恥ずかしいのよ!!」


「い…いや!だって中2の男子だよ?指輪なんてつけてたらおかしいよ…」


「物には言い方ってもんがあるでしょ!?」


「ちょ…そんなに怒らないでよ…」


なによ…


私にとっては大切な宝物なのに…


「まーまーナナもブーたれないの…レンジ君?その指輪持ってきてくれる?」


エリさんがレンジに指示を出す


「分かりました…」


レンジが2階に上がる


「ナナ…すぐにプリプリ怒るクセはやめなさい?」


「だってぇ…この指輪は私にとって宝物なのにさ…」


「それは分かるけど、あなたには包容力が足りないわ」


包容力…?


「すぐにプリプリと怒る様な可愛げの無い女の子はその内愛想尽かされちゃうわよ?」


「う…」


「すぐに怒るし叩くし蹴るし…よっぽどのドMじゃないともたないわよ?」


う…確かに…


「せっかく恋人になったんだから少しは可愛く振る舞いなさいよ?」


「う…うん…」


「ま、素直に怒れるのもあなたの良いところではあるけどね」


確かに…すぐに怒っちゃうからな…


「持ってきましたよ?」


レンジが指輪を…してきた!


「ほら!こーいう時にこそ喜んでみるのも策よ?」


「いや…いきなり出来ないよ…そんな事…」


「え?何が?」


当然の様にレンジが聞いてくる


「レンジ君、君はどうなの?」


「はい?何がですか?」


「すぐにプリプリと怒る彼女…どう?」


「ちょ!ストレート過ぎだってば!エリさん!」


「あー…まぁ…それも好きの内ですから」


「あら?だってよ…ナナ…ほら、喜ぶ所じゃないの?」


うぅ…!


一応、やってみるか…


「わ…わぁ…!私とのペアリング、してきてくれたんだね…!嬉しいなぁ!ウフフ♪」


「どうしたの?ナナちゃん…気持ち悪いよ?」


「オラァ!」


「ドウ!!」


レンジの脇腹に私のブローが突き刺さる


「痛いよ…」


「気持ち悪いってなぁどういう了見よ!」


「ナナ、私も気持ち悪かったわ」


…エリさんまでひでぇ…























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