り☆birth彼女♪
第113話

私達はエリさんに連れられ、チエと言う人の場所へと向かう



その場所は意外と近くにあった


ーピンポンー


古びたマンションの様な建物の一室


エリさんはインターホンを押す


(…誰?)


「エリよ」


(合言葉は?)


「…チエはプリンが大好き」


なんだその合言葉…


ーガチャー


「どんぞ…」


ドアからヌッと顔を出した女性…


ボサボサのショートの髪の毛に牛乳ビンの底みたいなグリグリメガネの女性…


「お邪魔するわよ」


レンジと私もおずおずと中に入る


「お…お邪魔します…」



中は案外殺風景な部屋だった


必要最低限の物しかない…


「相変わらず殺風景な部屋ね…もっと女の子らしい部屋にしなさいよ…」


「わだすはそーいうの好まねっぺ」


!!?


な…なんか…


すごく訛ってるわ…


訛り口調でぶっきらぼうに答えるチエさん


なんなんだろう…この人…


「で、頼んでおいた例の件、どうかしら?」


「ま……ソコソコだっぺ」


サクラさんは資料みたいな紙の束を取り出す


「まんずは…システムの場所たべな」


ペラペラと資料をめくるチエさん


そうか…この人に調べる様に頼んでおいてあったのね…


「システムは死界の果てにある」


「…死界…?」


エリさんが怪訝な顔をする


「死界の果ての最奥部にシステムはある…いや、いると言っだ方が言いっぺな?」


「死界ね…どうなの?そこまでの場所までの距離は?」


「んー…何で言っだら…ぶっちゃけ遠いぞ?」



ぶっちゃけって…


「距離はどのくらいなの?」


「人間の世界で言うと…地球2周ぐらい…が…」


な…なんだって!?


「飛行したって辿り着ける距離じゃないわね…もちろん行き方はあるんでしょ?」


「もちろんだっぺ…テラーと委員会の最高部会しか使えん代物がある」


テラーと委員会の最高部会しか使えない…?


「で…それはどこにあるの?」


「その前に…頼でだもんはっ?」


「あ〜…はいはい…」


そういえばエリさん、大きな紙袋を持ってるわ…


それをチエさんに手渡す


その中身とは


「あはー♪プリンーー♪」


!!?


今までのぶっきらぼうな態度が一変


プリンに喜びまくるチエさん


「あなた、ホントプリンが好きね…」


「だっでぇ…ごっぢにはこのプリン売っでねーし!」


ポカンとするレンジ


かくいう私もそうだけど…


「ンフー♪プリン♪プリン♪」


「何早速食べようとしてんのよ…その代物とやらの場所を教えなさいったら…」


「エリはせっかちだでな…まずは食べ終わってから…ほら、アンタらも食いねぇ?」


ご機嫌なチエさんは私達にもプリンをくれる


「ふぅん…これがエリのねぇ…」


プリンを私に手渡す時、私をマジマジと見るチエさん


「な…なんですか?」


「ん、いんや…師匠にソックリだど思ってな♪」


私がエリさんに似てる…?


「チエ…余計な事は言わないの」


「へいへい…それとこの子がカルマか?」


「あ…そうらしいですけど…自分じゃ良くわりません…」


「ふーん…エライ男前じゃねか♪」


「そ…そうですか?」


「チエ、ナナの彼氏よ?」


「ははー♪分かってるっぺな…んじゃいただきまーす♪」


チエさんは喜び勇んでプリンを頬張る


「あはー…♪幸せだぁ…」


ウットリな表情のチエさん


「で、代物ってのはどんな物でどこにあるの?」


「ん…あぁ…システムの場所まで数時間で行ける転送装置だ…場所は…テラーの超極秘らしいからな…調べられながったわ」


「そうか…とりあえずご苦労様…あ、何か服貸してくんない?変装したいのよ」


「変装…?エリだったら敵が来ても蹴散らしてしまうから関係ねーべ?」


「この子達がいるからね…なるだけ派手な戦闘は避けたいのよ」


「ふぅん…ま、良いが…あ、じゃあこれ貸すわ」


チエさんが時計みたいな物をエリさんに投げる


「何これ?」


「それ腕にはめで赤いボタン押すてみ?」


「そう…また変な発明じゃないでしょうね?」


「変なって失礼だっぺな…良いからやっでみろ?」


エリさんは言われたままにそれを腕にはめてボタンを押す


ーピシュン!ー


!!?


「…?どうしたの?ナナ」


「あ…いや!だってエリさん!格好が…!」


「…?」


姿見の鏡を見て絶句するエリさん


「な!!なんでスクール水着なのよ!!」


「あー、その設定だったか…へへ…似合ってるわ♪」


どうやらあの機械は変身出来るキットらしい…


けど、何でスクール水着なんだろうか


「ちょ…!別の服装に出来ないの?」


「青いダイヤル回してみ?」


「ったく…!」


ーピシュンー


「え…エリさ…!!アッハッハッハ♪」


「ちょっ!なんでランドセル背負ってんのよ!」


エリさんが黄色い通学帽にブラウスにスカートの姿になっちゃった!


「ははー♪」


「あなたマジでぶっ飛ばすわよ!」


「おぉ…怖い怖い…似合うじゃねか、なぁ?」


「良い加減にしなさい!」


怒りながらダイヤルを再びまわすエリさん


「ふむ……まあ…これなら良いわね」


タイトスカートのスーツ姿



なんか学校の美人教師みたい!


「眼鏡もかけて髪もアップにすればイメージ変わるわね…これにしましょ」


とりあえず服装は決まったみたいだ


「あ、そ…それ…まだ無いんですか?」


「ん?この変身のキットか?」


「あ…はい…」


あれば私も借りたいわ…


死者の世界じゃ私もある程度は顔は知れてるわけだし…


「仕方ねーな…エリの教え子ならやるわ…ほれ」


やったー♪


私は喜び勇んでそれを装着する


えっと…赤いボタンだったわよね…


まぁ、別にスクール水着だったとしても私だったら似合うはずだし…


何度か試してみて…


ーピシュンー


「ちょ…!!」


レンジが大袈裟に慌て出す


「ん…?」


ボンテージというのだろうか


黒のエナメルの際どい水着みたいな服装になってしまった…!


オマケにムチまでついてる…!


「ナナ、あなたその手の服装思い切り似合わないわね」


「う…うん…」


自分でもそう思う


「あ…あの…ナナちゃ…その…早く着替えた方が…」


「え?何で?」


「ナナ、その手のハイレグの水着みたいのを着るなら下はちゃんと処理しないとね」


「え…?あ…きゃあ!!」


「ナナ、あなた体型に似合わず生えてんのね♪」


「ゴクリ」


レンジがジーっと見てるぅ!


「見てんじゃないわよ!」


ーピシャン!ー


「痛い!!」


私のムチがレンジを襲う


私は急いで服装を変える


結局、私は普通の格好にする


ちょっとフリフリなワンピースにしといた


試すならトイレとかでやらないといけないわね…















































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