り☆birth彼女♪
第21話
こ…殺すって…!?
信じられない言葉が私の耳を突き抜ける
「な…私達委員会はどんな事があっても…強制執行はしないはずでしょ!?」
「ん…確かにそうだ」
ヒトミさんは腰掛けたイスから立ち上がる
「しかし、今回は特例だ…」
「特例って…何でよ…?テラーでさえ悪人に対しての強制執行なのに…レンジ君は悪人じゃないわ!」
私は激しく反発する
「悪人じゃない…確かにそうだ…だが、坂崎レンジには悪魔の様な事柄がたくさんあるんだよ」
悪魔…?あの、天使みたいなレンジ君が?
「私達死神が、未来をある程度予見出来るのは知ってるよな?」
確かに知ってる…まぁ何でかは詳しくは知らないけど…
「まず、1つ…坂崎レンジはこの先病気になる」
「病気…?」
「ああ…もちろん風邪なんかじゃない…新型のインフルエンザだ」
「いや…インフルエンザなんてワクチンとかで治るでしょ?」
「言ったろ?新型だと」
何が言いたいんだろ…?
「完全な新型だ…対抗するワクチンは無い…これが分かるか?」
「……パンデミック?」
「そうだ…ワクチンは無い、空気感染、しかも感染率は極めて高い…同じ部屋にいたら間違いなく感染する…そして、致死率は90%以上だ」
そ…それって…一大事じゃないか!
「感染者を隔離するにも隔離する人間が確実に感染する」
「え…でも、防護服を着れば…」
「並の防護服じゃ新型のインフルエンザのウイルスは透過するほどの小さな粒子だ」
「つまり…感染を防ぐ方法は…」
ヒトミさんはタバコに火をつける
「そう…無いんだ…宇宙服並みの装備でようやく防げるレベルだ」
そんなに強力なのか…
「当初は感染者がインフルエンザによって死ぬ…日本では死者数は250万人」
に…にひゃく!?
「だが、日本政府はある決断を下す」
「決断?」
「感染が発覚した人間に対しての滅菌作戦だ」
「滅菌…滅菌って…まさか…!!」
「そうだ…簡単に言えば、感染した者を処刑する…極秘裏に…薬殺だろうがな」
「そんな…そんな事って…!」
「死人は更に膨らみ、日本では最終的には1000万人を超える」
「そんな…いや、ちょっと待って…日本ではって…」
「ふん…話が早いね…世界中に拡大するのさ…」
「世界中…!?」
「死人の数は算出出来ない位さ…億単位の人間は確実に死ぬがな…」
「お…億…!」
「そして、その凶悪な殺人インフルエンザによって、世界大恐慌が起こり、現在の国家間のパワーバランスは崩れる」
「ち…ちょっと待って…頭が…整理できない…」
「まぁそうだろうね…簡単に言えば、坂崎レンジがキッカケで億の人間が死に、世界は混沌とした時代が来るって事だ」
私はしばらく考える
「で…でも…委員会はどんな事があっても強制執行はしない…例え、世界が滅んでも…そうだったはず…」
「そうだ…私もアンタにはそう教えた…が…委員会は億単位の人間が死ぬ事を恐れたのさ」
恐れた…
「まぁなんだかんだ言っても、億なんて死人はテラーと委員会をもってしても処理しきれないしね」
そして、私は気が付く
「まさか…ナナちゃんは……!!」
「ふむ…桜川ナナには坂崎レンジを殺害する命令が下ってるかもしれん」
「いや…まさか…だって、あの2人は幼馴染…」
「だからだろ?幼馴染だったら近付きやすいし…桜川ナナが決心してればの話だがね」
………読めないわ…ナナちゃんの意図が…
「まぁ話は戻るが…坂崎レンジにはもう1つ秘密がある」
秘密…
「坂崎レンジは人間に生まれる前は死神だった」
「レンジ君が…!?」
いや…レンジ君からは死神のオーラは感じないけど…
私の顔を見て悟ったのか、ヒトミさんは続ける
「ヤツは完全に転生してる…だから今のヤツに死神の能力はもちろん、自覚も全く無い」
「…良くわからないわ…まだ先があるんでしょ?」
私は話を先に進めてもらいたくてヒトミさんを急かす
「坂崎レンジの転生前の正体は…カルマだ」
かるま?
「まぁアンタは知らないだろうけど、闘神カルマと言えば死神の中じゃもっとも有名人だった」
とうしん…なんて字で書くのかしら?
「カルマはテラー、委員会どちらの組織にも属さない変わったヤツだった…」
「属さないなんて出来るの?」
「まぁその辺りは私も良くは知らないけどね…カルマは1度死者の世界を破壊している」
「は…破壊!?」
「何故そういう事をしたのかは分からない…ただ、テラー、委員会はどちらも壊滅寸前まで破壊されたんだ…しかもカルマ1人でだ」
1人…!?
「そして、アンタのライバルが坂崎レンジに近付いた事によって見えてきたよ…テラーの思惑がね」
「思惑?」
「桜川ナナを使って、坂崎レンジを殺害、死神に戻った闘神をテラー側に引き込みたいのさ…」
「…ナナちゃんは利用されてる?」
「そうだな…カルマを手に入れ、私達委員会を潰す魂胆かもな」
私達を潰す…?
「桜川ナナには坂崎レンジをくれてやるとかの条件を出した…まぁこの辺りは予測だけどね…」
「もちろん、テラーはそのつもりは無い…」
「そうだね…坂崎レンジを殺させて、横取りだ」
「…どのみち、放ってはおけないわ…」
「もちろんだ…そうだな…マイコ…更にお前に命令を下す」
「…?はい…」
「坂崎レンジをお前の恋人にした上で…殺害しろ」
「え…?」
「坂崎レンジはアンタにくれてやる…死者の世界で2人で暮らせば良い」
「え……良いの?」
「フフン…桜川ナナに取られたきゃ別に構わないけどな」
取られる……
それだけはイヤだ…!
「………やります…!」
「よし!良い目だ…必ずモノにしろよ?」
「う…うん!」
好きな人と死者の世界で一緒に居れる…
こんな幸せは…無い…!
信じられない言葉が私の耳を突き抜ける
「な…私達委員会はどんな事があっても…強制執行はしないはずでしょ!?」
「ん…確かにそうだ」
ヒトミさんは腰掛けたイスから立ち上がる
「しかし、今回は特例だ…」
「特例って…何でよ…?テラーでさえ悪人に対しての強制執行なのに…レンジ君は悪人じゃないわ!」
私は激しく反発する
「悪人じゃない…確かにそうだ…だが、坂崎レンジには悪魔の様な事柄がたくさんあるんだよ」
悪魔…?あの、天使みたいなレンジ君が?
「私達死神が、未来をある程度予見出来るのは知ってるよな?」
確かに知ってる…まぁ何でかは詳しくは知らないけど…
「まず、1つ…坂崎レンジはこの先病気になる」
「病気…?」
「ああ…もちろん風邪なんかじゃない…新型のインフルエンザだ」
「いや…インフルエンザなんてワクチンとかで治るでしょ?」
「言ったろ?新型だと」
何が言いたいんだろ…?
「完全な新型だ…対抗するワクチンは無い…これが分かるか?」
「……パンデミック?」
「そうだ…ワクチンは無い、空気感染、しかも感染率は極めて高い…同じ部屋にいたら間違いなく感染する…そして、致死率は90%以上だ」
そ…それって…一大事じゃないか!
「感染者を隔離するにも隔離する人間が確実に感染する」
「え…でも、防護服を着れば…」
「並の防護服じゃ新型のインフルエンザのウイルスは透過するほどの小さな粒子だ」
「つまり…感染を防ぐ方法は…」
ヒトミさんはタバコに火をつける
「そう…無いんだ…宇宙服並みの装備でようやく防げるレベルだ」
そんなに強力なのか…
「当初は感染者がインフルエンザによって死ぬ…日本では死者数は250万人」
に…にひゃく!?
「だが、日本政府はある決断を下す」
「決断?」
「感染が発覚した人間に対しての滅菌作戦だ」
「滅菌…滅菌って…まさか…!!」
「そうだ…簡単に言えば、感染した者を処刑する…極秘裏に…薬殺だろうがな」
「そんな…そんな事って…!」
「死人は更に膨らみ、日本では最終的には1000万人を超える」
「そんな…いや、ちょっと待って…日本ではって…」
「ふん…話が早いね…世界中に拡大するのさ…」
「世界中…!?」
「死人の数は算出出来ない位さ…億単位の人間は確実に死ぬがな…」
「お…億…!」
「そして、その凶悪な殺人インフルエンザによって、世界大恐慌が起こり、現在の国家間のパワーバランスは崩れる」
「ち…ちょっと待って…頭が…整理できない…」
「まぁそうだろうね…簡単に言えば、坂崎レンジがキッカケで億の人間が死に、世界は混沌とした時代が来るって事だ」
私はしばらく考える
「で…でも…委員会はどんな事があっても強制執行はしない…例え、世界が滅んでも…そうだったはず…」
「そうだ…私もアンタにはそう教えた…が…委員会は億単位の人間が死ぬ事を恐れたのさ」
恐れた…
「まぁなんだかんだ言っても、億なんて死人はテラーと委員会をもってしても処理しきれないしね」
そして、私は気が付く
「まさか…ナナちゃんは……!!」
「ふむ…桜川ナナには坂崎レンジを殺害する命令が下ってるかもしれん」
「いや…まさか…だって、あの2人は幼馴染…」
「だからだろ?幼馴染だったら近付きやすいし…桜川ナナが決心してればの話だがね」
………読めないわ…ナナちゃんの意図が…
「まぁ話は戻るが…坂崎レンジにはもう1つ秘密がある」
秘密…
「坂崎レンジは人間に生まれる前は死神だった」
「レンジ君が…!?」
いや…レンジ君からは死神のオーラは感じないけど…
私の顔を見て悟ったのか、ヒトミさんは続ける
「ヤツは完全に転生してる…だから今のヤツに死神の能力はもちろん、自覚も全く無い」
「…良くわからないわ…まだ先があるんでしょ?」
私は話を先に進めてもらいたくてヒトミさんを急かす
「坂崎レンジの転生前の正体は…カルマだ」
かるま?
「まぁアンタは知らないだろうけど、闘神カルマと言えば死神の中じゃもっとも有名人だった」
とうしん…なんて字で書くのかしら?
「カルマはテラー、委員会どちらの組織にも属さない変わったヤツだった…」
「属さないなんて出来るの?」
「まぁその辺りは私も良くは知らないけどね…カルマは1度死者の世界を破壊している」
「は…破壊!?」
「何故そういう事をしたのかは分からない…ただ、テラー、委員会はどちらも壊滅寸前まで破壊されたんだ…しかもカルマ1人でだ」
1人…!?
「そして、アンタのライバルが坂崎レンジに近付いた事によって見えてきたよ…テラーの思惑がね」
「思惑?」
「桜川ナナを使って、坂崎レンジを殺害、死神に戻った闘神をテラー側に引き込みたいのさ…」
「…ナナちゃんは利用されてる?」
「そうだな…カルマを手に入れ、私達委員会を潰す魂胆かもな」
私達を潰す…?
「桜川ナナには坂崎レンジをくれてやるとかの条件を出した…まぁこの辺りは予測だけどね…」
「もちろん、テラーはそのつもりは無い…」
「そうだね…坂崎レンジを殺させて、横取りだ」
「…どのみち、放ってはおけないわ…」
「もちろんだ…そうだな…マイコ…更にお前に命令を下す」
「…?はい…」
「坂崎レンジをお前の恋人にした上で…殺害しろ」
「え…?」
「坂崎レンジはアンタにくれてやる…死者の世界で2人で暮らせば良い」
「え……良いの?」
「フフン…桜川ナナに取られたきゃ別に構わないけどな」
取られる……
それだけはイヤだ…!
「………やります…!」
「よし!良い目だ…必ずモノにしろよ?」
「う…うん!」
好きな人と死者の世界で一緒に居れる…
こんな幸せは…無い…!