おはようございます。
湯川学実という者です。
『殺しちゃった』というあっけらかんとしたタイトルに惹かれ、読ませていただきました。
まず、この作品で私が魅力的だと思ったのは主人公の貪欲に血に依存する『狂気』。そして両親を殺してしまってから主人公が感じる『狂喜』の異常さです。
両親に殴られても、彼女が感じるのは悲しみや痛みではなく、とにかく血を求める狂った欲望。
狂うことを批判しているわけではなく、その狂いこそが魅力となっています。
作者様は短い作品だと言われていましたが、この長さだからこそ主人公のある意味純粋な血への欲望が強調され、(それ以外は詳しく語られていないので)読み終わったときに彼女への恐怖と魅力に溺れます。
ヒトの『狂』を、リアルに、かつ美しく伝えてくださる作品です。
ぜひご一読を。