君がくれたもの。






授業が始まっているのに
私はいつものように
あくびをしながら窓を見た。




窓の外には…



大きく広がり続ける青空。


澄んだ綺麗なブルー。



空を見るのが好きな私は
いつも授業中に窓に映る空を見ていた。




…落ち着くなぁ。




空になりたい。



なんて考える私はかなり馬鹿だ。



普通の人が『空になりたい』なんて聞いたら…は?何コイツ。死にたいの?みたいな反応になる。



けど…私は空になりたい。



このどこまで続く綺麗な空に。



死にたいわけじゃないけどね、空みたいに大きく広く何もかも包み込む人になりたい。





窓に伸ばしかけた手を慌てて隠した。




やばい…。



今は授業中だった!



誰かに見られてないか
心配だよ…。



クラスの中で孤立してる人が窓に手を伸ばしているなんて…かなりの変人だよ。




…はぁ。と虚しくため息をつきながら、誰にも見られてませんよーに!と祈って残りの授業を真剣に受けた。







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