【完】甘い香りに誘われて 3 極道若頭×やんちゃな姐さん
藤堂の家へ来てから歩いて出かける事も、車の運転をすることもなかった。
この先も絶対にないことはわかりきっている。
きっと私の気持ちを隼も理解し運転をさせてくれたんだと思う。
「結衣、ハンドルでかいな。」
「全身運動してねぇか?」
助手席から、からかう隼に
「若頭に軽自動車借りてくれなんて言えないじゃない。」
自分で言って大笑いした。
「後ろで、高野と三浦が冷や冷やしてんだろうな。」
「失礼な。」
「運転席に誰もいねぇって焦ってるか?」
「ちょ…それすっごい失礼。あははは」