【完】甘い香りに誘われて 3 極道若頭×やんちゃな姐さん
少しすると近藤組長と奥野さんが藤堂へいらした。
「結衣姐さん、元気やったか。」
「組長さん、その節はお世話になりました。」
「世話になったんは、わしらや。姐さん帰ってからみんな淋しいゆうてな。ちっさいからその辺に入っとるなんて事はないやろかって引き出しあけたりしてな。」
とっても失礼な事を仰ったけど
私も由香里さんも大笑いで
「今度、宅急便で送っておきますよ。」なんて由香里さんが言い
「クール便にしてやってな。」なんて組長さんも笑った。
奥野さんは、植木さんのようにずっと穏やかな顔で見ていらして
由香里さんを見ながら何度も頷き嬉しそうな顔で
「結衣姐さんを育てはったんが、姐さんだってようわかりますわ。ほんまの親子以上やな。」
その言葉に
「私はこんなにやんちゃなんてしませんよ。」なんていうから
みんなで大笑いした。
それから組長さんがこそこそっと私に内緒話しのように
「小百合がお母さんやったらわしはお父さんやな?ええな?」
その言葉に
「はい。お父さん。私も姐さんはダメですよ?」
笑顔で答えると優しい顔で頭を撫でてくれて
響さんや隼たちと奥の部屋へと入ってしまった。