【完】甘い香りに誘われて 3 極道若頭×やんちゃな姐さん
水無月生の女
雨が降った日の朝、隼の見送りに出て
初めて自分の傘がないことに気づいた。
たまに外出をした時に雨だったこともある。
だけど車はいつも入り口の近くで降りる時には傘をさして待っていて下さるから傘をさす必要がなかった。
今までも雨の日にはなぜか隼が連絡をしてくるのが遅く
玄関の中に入っていたから気づくことがなかった。
朝から降っていたことはない?
ううん。降っていた事はある。
だけど、毎日じゃないから玄関のすぐ前に車がとまっても
あまり気にすることもなく
「いってらっしゃい。」と見送っていた。