【完】甘い香りに誘われて 3 極道若頭×やんちゃな姐さん
そして、極道が新しい時代を迎えようとしていた。
それは、4大極道と言われる東西南北の筆頭である組が兄弟の盃を交す為の最終的な話合いが行われようとしていた。
うまくいけば日本にあるほとんどの極道の間で絆が生まれる。
全員一致で4大極道の組長たちが盃を交す事が出来たとすれば、
私の想像を絶するような大勢の兄弟となる。
仲の良い兄弟というのとはまた意味が違う。
極道の世界もまた厳しい競争社会の一面がある。
凌ぎと言われるものの確保や収入面において
表の事業を成功しているところもあればそれが難しい組もある。
今は勢力を広げるというよりもそれを守るので精一杯な時代の流れ。
渋々賛同し傘下に入った組もあるであろう。
それでも重い盃を交した。
兄弟となる盃。
その割合によって兄になり舎弟になるという力関係が示され
それを覆すことが出来ない。
それこそ極道の仁義であり掟だ。