【完】甘い香りに誘われて 3 極道若頭×やんちゃな姐さん
「お気張りくだせぇ。」
「顔上げて堂々と御歩きくだせぇ。」
植木さんと奥野さんが私達に声をかけた。
「はい。」
私と由香里さんは、下を向かないように響さんと隼の背中を見て
緊張の足を進めた。
だけど後ろから
「四郎Tシャツやったらよかったばい。」
なんて五郎ちゃんの声が聞こえるから思わず吹き出した。
由香里さんも吹き出していて
「あーわし見てないんで見たかったな。」
遠山さんがぼやく。
お陰でフラッシュが焚かれていても気にならなくなった。
だって、思い出すと可笑しくて仕方ない。
「じゃあみなさんも名字の入ったTシャツじゃなきゃ不公平ですよ。」
「自分は五郎あるばい。」
あはははは
私達は笑顔になって宴会場へ到着した。