【完】甘い香りに誘われて 3 極道若頭×やんちゃな姐さん
「三浦さんと高野さん怪しいよね。」
思わず吹き出した。
服装こそ、スーツじゃないけれど
男2人で、雰囲気のいいシーサイドレストランで食事なんて
見ていて大笑いしたくなる。
ドライブに出かければ、バックミラーに2人の乗る車がうつり
それすらも可笑しい。
お土産屋さんから出ると
「私に命を預けて。」
笑顔で頷く隼の手からキーを受けとり運転席へ。
思いっきりシートを前に出す私に
隼は失礼なぐらい大笑いを続けた。
「あのですね?嫌味かってぐらい後だったわけですよ。」
「あぁ。」
「屈辱ついでに言わせていただければ…。」
肩を震わせた隼が
「なんだ?」
「後ろのクッション取っていただけます?」
「おい、結衣見えないならやめろ。危ねぇ。」
「失礼な。見えるけど念のためよ。若頭の命預かってんだからさ。」
笑いながら隼は後ろのシートへ手をのばし
クッションを手渡してくれた。