出会ったのは吸血鬼でした。
自宅にて
「おまっ、え、っさあ!もうちょっ、と警戒、しろっ、よ!」
「食べながら喋らないでください」
私が冷めた目で見ると、目の前の男の人──聖と名乗った──はスマン、と頭を軽く下げた。
場所は変わってここは私の自宅。
そして目の前にいるのは、私の明日の朝食として買ったコンビニのおにぎりを頬張る彼。
気絶してしまった彼をあのあと家まで運んできて、起きたと思ったら盛大にお腹をならす彼におにぎりをあげたのだ。
「お前さあ。知らないやつを家までつれてきて、挙げ句私室にあげるなんて警戒心足りなさすぎだろ」
ごくん、とおにぎりを飲み込んだ彼は私にそう言った。
ご飯までいただいておいて今さら何を言うんだ。
「……まあ、そのおかげで俺助かったんだけど」
あたしのジト目に耐えきれなくなったのか、彼は目をそらしながらそう呟いた。
心なしか、さっきまで艶々としていた翼がホロホロと下を向いている気がする。
「じゃあ、いいじゃないですか」
「……おう。」
そう言えば、彼にはどうして翼があるんだろう。