恋とか愛とか
お弁当を食べながら先輩は
私の顔を見てくる。
「な、なんでしょう……」
「いや?弁当うまい。」
「あ、そうですか…………。」
「お母さん?」
「……はい。」
「いいお母さんだな。うまかったって言っといて(笑)」
「っ!」
先輩は綺麗に全てたいらげた。
「葵。どんなパンが好き?」
「へ?」
「だーかーら、どんなパンが好きかってきーてんの!」
パン?
「え、えっと………………クリームパン……好きです……。」
「なるほど。俺も好き。」
!!!
下田先輩の 好き は妙に色っぽい。
「あ、葵。メアド教えて。」
「メアドですか?!!!」
「そんなビックリする?」
「いや……だ、だって…………。」
今まで私のメアドを聞く人なんて現れなかったし。
教えたこともないし。
実際……携帯に入ってるのは家族のアドレスだけだし…………。
「ほら、さっさとしろ。昼休み終わっちゃうだろ?」
「は、はあ」
先輩とメアド交換とやらをしてしまった。
「んじゃ、弁当うまかった!また明日なっ!」
そういってまた先輩はフェンスを乗り越えて教室に戻っていった。