恋とか愛とか
「このままサボるか。」
思いがけない言葉に動揺する。
「さ、サボる??」
「そ。ホントはそんなことしないんだけどな。 今日は葵もいるし……どーせ今日は学校遅れるし……。」
「っ!だ、ダメですよ、サボるのは……」
「葵は真面目だな。」
っ。
真面目だけが取り柄なの!
今までずっと目立たないようにするには規則を守るのが1番だったの。
なのに、高校になってからそうはいかない。
派手な化粧をしている子達の中に真面目がいると逆に目立ってしまう。
そんな状態が居心地悪くて屋上に逃げてたのに。
「………………サボる。」
つい口が動いていた。
「葵?」
「先輩っ、どっか行きましょ。」
「葵、無理しなくていい!良く考えたら葵は高2だしな。」
「無理してないです。どっか行きましょう。」
ウソばっかり。
ホントはサボるのが初めてで怖くてたまらないくせに。
でも
それ以上に 今は先輩の
下田先輩のそばにいたい。
「………………。どこ行くか?っつても電車が動かないとどこも行けないけど(笑)」
その言葉を待っていたかのように電車が動きだす。
「っ、静かな場所がいいです。」
素直にそんな場所に行きたいと思った。