棄てられないほど大切な者を
.
私と香織の出会いは中学一年の春。
入学式から数日たった日だった。
と、思う。
休み時間に
席で本を読んでいた私に
香織が声をかけてきたのがきっかけだ。
ー3年前ー
『ねえ、ねえ、』
『…。』
『なに読んでるのー?』
『本』
『見ればわかるよー。』
『…。』
『おはよー。朝だねー。』
『…おはよ。』
ーー
その時から
香織は事あるごとに
私に話しかけてくるようになった。
香織が言うには
『声聞いてみたくてさー
話しかけたら超面白かったから
絶対、仲良くなろうと思って。』
結局
スムーズに会話が
できるようになるまでに
半年ほどかかった。
中二でクラスが別れてからは
香織の部活の友人だとか
香織の友人の友人だとか
香織の彼氏の友人の彼女だとか
とにかく香織の知り合いが
私の話し相手になってくれた。
その中には
今でも連絡をくれる子も数人いて
私の数少ない友人となっている。
高校には、偶然にも
同じ中学出身の女の子はいなく
当然
私なんかに声をかけてくる人はいない。
『けど、特に困る事はないよ。』
『行事とか!あるでしょ?』
グループを作らなくちゃいけない事が
そのうち必ずある!と
香織は少し怒った顔で言った。
『行事?私は参加しないけど。』
『そうだった。しないんだ。』
はーっと溜め息一つ。
香織は額に手を当てて俯いてしまった。
『香織?』
『真子さぁ、高校では
行事に参加してみなよ。』
『いやだ。』
中学の時
体育祭
遠足
合唱コンクール
文化祭
私はどれにも参加しなかった。
三年で再び同じクラスになった
香織に説得されて
唯一、修学旅行には参加したけど。
『楽しいかもよ?』
『"楽しい"は参加する理由にならない。』
『時間の無駄?』
こっくりと頷くと
香織は少し寂しそうな表情になった。
『どうした?』
『…はぁ。』
私と香織の出会いは中学一年の春。
入学式から数日たった日だった。
と、思う。
休み時間に
席で本を読んでいた私に
香織が声をかけてきたのがきっかけだ。
ー3年前ー
『ねえ、ねえ、』
『…。』
『なに読んでるのー?』
『本』
『見ればわかるよー。』
『…。』
『おはよー。朝だねー。』
『…おはよ。』
ーー
その時から
香織は事あるごとに
私に話しかけてくるようになった。
香織が言うには
『声聞いてみたくてさー
話しかけたら超面白かったから
絶対、仲良くなろうと思って。』
結局
スムーズに会話が
できるようになるまでに
半年ほどかかった。
中二でクラスが別れてからは
香織の部活の友人だとか
香織の友人の友人だとか
香織の彼氏の友人の彼女だとか
とにかく香織の知り合いが
私の話し相手になってくれた。
その中には
今でも連絡をくれる子も数人いて
私の数少ない友人となっている。
高校には、偶然にも
同じ中学出身の女の子はいなく
当然
私なんかに声をかけてくる人はいない。
『けど、特に困る事はないよ。』
『行事とか!あるでしょ?』
グループを作らなくちゃいけない事が
そのうち必ずある!と
香織は少し怒った顔で言った。
『行事?私は参加しないけど。』
『そうだった。しないんだ。』
はーっと溜め息一つ。
香織は額に手を当てて俯いてしまった。
『香織?』
『真子さぁ、高校では
行事に参加してみなよ。』
『いやだ。』
中学の時
体育祭
遠足
合唱コンクール
文化祭
私はどれにも参加しなかった。
三年で再び同じクラスになった
香織に説得されて
唯一、修学旅行には参加したけど。
『楽しいかもよ?』
『"楽しい"は参加する理由にならない。』
『時間の無駄?』
こっくりと頷くと
香織は少し寂しそうな表情になった。
『どうした?』
『…はぁ。』