棄てられないほど大切な者を
.



『じゃあ。』

『うん。またね!』



香織と別れて

家までの15分ほどの道を
早足で歩く。



本当は自転車で来たかったが

私は恐ろしくよく
自転車をパンクさせる。



今日、自転車を使って

パンクしたら


明日の家から駅までの
交通手段に困る。


夜の7時。

まだ春だからか

空は真っ暗だった。








< 3 / 8 >

この作品をシェア

pagetop