朝鮮王朝時代の用語解説集
掌楽院
◇掌楽院(チャンアグォン)とは
朝鮮王朝時代に宮廷での音楽に関する事を担当した官庁の事。宮廷で宴や儀式、使者をもてなす際の音楽を担当。楽師や踊り手の教育等も担当しました。主に官吏と楽師によって構成されていました。宮廷で宴が催される時には妓生(キーセン)が舞を踊る事もありました。
この様な音楽機関は新羅時代から存在し、現代の国立音楽院へと続いています。
◇掌楽院の官吏
官庁には、官職と同じくそれぞれに品階があり、兼任の場合以外は品階を越す官職はないそうです(掌楽院は正三品の位)。提調から副直長まで幅広い官職がありますが、音楽に関する知識は持っていなかったそうです。
・提調(チェジョ)
従一品~従二品の間に該当する官職。名目上の責任者。兼任する事が多かったそうです。掌楽院の場合は兼任職として置かれました(掌楽院は正三品の位なので)。
・副提調(プチェジョ)
提調の補佐役。正三品堂上官の官職。掌楽院では名目上の責任者。トンイではオ・テプンがこの官職に就いていました(ドラマだと署長で訳されている事が多いです)。
・正(チョン)
正三品堂下官の官職。
・僉正(キョムジョン)
従四品の官職。トンイではオ・ホヤン(オ・テプンの息子)がこの官職に就いていました。
・主簿(チュブ)
従六品の官職。トンイではファン様がこの官職に就いていました。
・直長(チクチャン)
従七品の官職。
・副直長(プジクジャン)
正八品の官職。
◇楽師
楽器の演奏は、楽工(アッコン)、楽生(アクセン)、楽師(アクサ)と呼ばれる楽師が担当し、主に賤民階級や良人(良民)階級の者が属していました。