朝鮮王朝時代の用語解説集
◇儀式等◇

揀擇・王族の婚礼 世子嬪、王妃選び


◇揀擇(カンテク)
王や世子、王子等の王族の相手を選ぶ事。世子嬪(セジャビン)選考の場合は、世子より2、3歳年上の人を選ぶ。結婚適齢期の、未婚の娘がいる場合は必ず申請しなければいけなかったそうです。


◇嘉礼都監(カレトガム)
臨時に置かれた官庁で、王族の婚礼を管理。



~選考方法~
◇禁婚礼(クモンニョン)
一時的に結婚を禁止する事。


◇処女単子(チョニョタンジャ)
生年月日やその人の運勢等に加え、父親の経歴や系図等をについて加えた物。禁婚礼が出た後これを提出し、提出した者の中から20~30人程が選ばれ、そこから面接等により選考が行われます。



◇初揀擇(チョガンテク)
書類選考で選ばれた候補者が宮廷で初めて行う面接試験の事。宮廷の門をくぐる時に、鉄釜の蓋を踏む風習があり、宮廷内での行動には気を付けるようにとの意味があったそうです(これについては諸説あり)

揀擇の審査については王室の女性が行うのが基本ですが、第21代国王・英祖(ヨンジョ)の2番目の妃を選ぶ際には王自ら審査に出向いたとされています。

茶菓子等の食べる作法等も見られ、審査の対象となったそうです。



◇再揀擇(チェガンテク)
初揀擇から選ばれた5名程が対象となる審査の事。候補者は3人に絞られるが、実際には再揀擇で内定者がほぼ決まっていました。内定者は六人轎(ユギンギョ)に乗り、数十名の護衛の者が付き、帰宅しました。



◇三揀擇(サムガンテク)
再揀擇から選ばれた3人の候補者が集まって行う最終審査の事。内定者が本当に配偶者としてふさわしいか確かめる場でもありました。

王が内定者の名を書き、領議政(ヨンイジョン)が公表。内定者はその後別宮に入り、家族でさえ会う事は難しくなります。

世子嬪や王妃の揀擇の場合、婚礼までの間将来王妃となるべく教育を受けます。三揀擇が終わると禁婚礼も解かれました。

最終選考で選ばれなかった者は、一生独身を貫き通さなければなりませんでした(世子嬪や王妃の揀擇の場合)。

選考方法は大体こんな感じだとは思いますが、その時その時の政治的な事情により、大きく変わったそうです。世子以外の王子や王女の結婚相手もこのように選ばれたと思います。

< 21 / 36 >

この作品をシェア

pagetop