朝鮮王朝時代の用語解説集
字が読めなかったとか医学書を学んでいなかったという説もあるようで、官職に任命する事に随分と議論を要したようですが、粛宗はクァンヒョンに様々な官職を与えています。個人的な考えですが、あれ高官職を与えられる人物が、何も知らなかったとは思えないんですよね。
そう考えると、粛宗は身分に関係無く才能ある者を登用する王って事になりますよね。
官職名のちょっとした解説もします。
康翎・抱川は地名(衿川も地名)、県監は従六品の位です。地方官の官職の一つでもありますね。
王の主治医・御医は、原語では”御医令監(オイヨンガム)”と呼ばれている事から、地位的に従二品~正三品堂上官だと思われます。令監は日本で言うと”~様”という感覚でしょうか。
領敦寧府事(ヨントンニョンブサ)は、
領事(ヨンサ)という官職名と、
敦寧府(トンニョンブ)という官庁名を合わせたものです。
朝鮮王朝時代は、”領敦寧府事(ヨントンニョンブサ)”のように官職名の間に官庁名を挟んで呼ばれる事もあったそうです。
敦寧府(トンニョンブ)とは、王の親族や外戚に関する事等を担当した官庁。王妃や世子嬪等の親戚は敦寧府所属の官吏として任命されたそうです。
領事とは主要官庁に置かれた正一品の官職で、名目上の最高責任者です。政丞(チョンスン)の兼任が基本とされました。政丞とは、領議政・左議政・右議政の総称です。
敦寧府での領事は、王妃の父に与えられる官職で、娘が王妃になると与えられました。