君をください
.



『は?』

いや、『はあ?』だったかもしれない。



思わず怪訝な顔と声で返事をした私に

男性はすごく悲しげな顔をして


『っ!すいません。』


90度お辞儀をした。



そしてゆっくり顔をあげると

もう一度


『好きです。あなたを、ください。』


と、言った。




私は


『すいません。さようなら。』


逃げた。




全速力で家まで走りながら


もう二度とあの原っぱには

行かないと誓った。




『てか、ください。ってなんだよ。』



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