君をください
まさかの再会?
.


【まさかの再会?】



意味不明な告白?から2週間。


私は一度も
お気に入りの場所に行っていない。


おかげであの男性とも

会わずにすみ

正直少し忘れかけていた。




それなのに…


『産休の緑山先生に代わって

しばらくの間
英語を教えることになった

臨時教師の秋山です。

よろしくお願いします。』



『…嘘だろ?』



あの男性は

臨時の教師として私の学校に現れた。




教壇で頭を下げるその姿に

目を奪われていると


顔をあげたその人と目があった。




え?


声に出さず
口だけがそう動いたその様子で


この再会がまったくの偶然だと分かる。




『嘘だろ?』

本日2回目の小さな呟きは

教室の騒がしさにかき消された。





『えーっと…
今日の授業はここまでです。

あの、日山(ヒヤマ)さん

未提出の課題のことで
ちょっと話があるから

昼休みに英語科まで来てくれるかな?』



日山は私の名字だ。


確かに前任の緑山先生は
良く課題を出す人だったけれど

未提出の物などない。



それでも

話の内容は分かりきっているから


私は素直に頷いた。

『分かりました。』






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