君をください
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その日の夜。
いつも通り、お風呂から上がって
まっすぐ寝室へと向かった私の耳に
『だからぁ
美里はけー君と会えれば
それだけで充分楽しいのっ。』
美里の甘ったるい声が聞こえてきた。
いらっとしたのも一瞬で
私は部屋に入って音楽でも流そうと
自分の心を落ち着かせた。
自室のドアノブに手をかけてひねる。
と、その時だった。
『美里は本当に欲がないね。
マジで最高の彼女だよ。』
いつもは聞こえない
男物の声が聞こえてきた。
思わず立ち止まり
隣のドアを見つめる。
『だって美里、けー君大好きだもん。』
『俺も。でも、俺の方が好きだよ。』
…間違いない。
バンッ
『おねぇ!』
『あ、空乃ー。お風呂出たんだ?』
勢いに任せて
美里の部屋のドアを開けると
へらりと笑う美里と
とたんに正座になる男の人がいた。
『なにしてんの?』
『彼氏を家に泊めちゃダメ?』
『あ、おじゃましてます。』
あろうことか、美里は
私がお風呂に入っている隙に
彼氏を家に連れ込んだらしい。
いくら今夜
親が帰ってこないからって…
文句を言う気にもなれず
部屋に引っ込んだ私が
隣から聞こえるいつもの二倍
甘ったるい会話に
耐えきれなくなったのは
それから5分後のことだった。
その日の夜。
いつも通り、お風呂から上がって
まっすぐ寝室へと向かった私の耳に
『だからぁ
美里はけー君と会えれば
それだけで充分楽しいのっ。』
美里の甘ったるい声が聞こえてきた。
いらっとしたのも一瞬で
私は部屋に入って音楽でも流そうと
自分の心を落ち着かせた。
自室のドアノブに手をかけてひねる。
と、その時だった。
『美里は本当に欲がないね。
マジで最高の彼女だよ。』
いつもは聞こえない
男物の声が聞こえてきた。
思わず立ち止まり
隣のドアを見つめる。
『だって美里、けー君大好きだもん。』
『俺も。でも、俺の方が好きだよ。』
…間違いない。
バンッ
『おねぇ!』
『あ、空乃ー。お風呂出たんだ?』
勢いに任せて
美里の部屋のドアを開けると
へらりと笑う美里と
とたんに正座になる男の人がいた。
『なにしてんの?』
『彼氏を家に泊めちゃダメ?』
『あ、おじゃましてます。』
あろうことか、美里は
私がお風呂に入っている隙に
彼氏を家に連れ込んだらしい。
いくら今夜
親が帰ってこないからって…
文句を言う気にもなれず
部屋に引っ込んだ私が
隣から聞こえるいつもの二倍
甘ったるい会話に
耐えきれなくなったのは
それから5分後のことだった。