雨の日の神様
雨の日の物語
プロローグ*


“ちーちゃん、雨の日の神様って知ってる?”

“えー、なにそれ、知らなーい。どんなかみさまー?”

“悪戯好きな神様でねぇ。雨の日に男女を引き合わせたり、別れさせたりするの”

“別れさせるの!? ひどいー!”

“でもね、ちーちゃん、おじいちゃんとおばあちゃんも雨の日に出会ったのよ”

“そうなの? ……じゃあ、いつか、千鶴にも雨の日に素敵な人、きてくれるかなー?”

“ええ……ちーちゃんは優しい子だから、とびっきりのかっこいい人と会わせてくれるわよぉ~”

“ほんとう!! 千鶴、楽しみ……!!”


今まで、そんな話をずっと信じて生きてきたけれど。

__おばあちゃん、では10年後の私は何故こんな腹黒男の隣にいるのでしょうか……?
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