雨の日の神様
リビングの戸を開けると、お婆ちゃんが揺り椅子に座って本を読んでいた。

宮司も、特に行事のないこの季節は暇なのだ。


「お婆ちゃん、ただいま」

「おや、千鶴おかえりなさい。冷蔵庫に菜々子さんが作ってくれたアップルパイがあるわよ」

「まじで! 食べる」

私が意気揚々と台所に向かうと、お婆ちゃんはその言葉遣い、なんとかならないかねぇと溜息をついた。

私は聞こえないふりをする。


「あ、おばあちゃん」

ふっ思い出して声をかける。

「雨の日の、運命の人っているのかな?」
< 11 / 11 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop