雨の日の神様
私は神守 梨子(かみもり りこ)。15歳、高校1年生。

地元の高校に通っている。


そんな私の家は、神山という小さな山の上の方にある。
家というか、由緒正しい神社である。
お婆ちゃんは、珍しいけれど女の現宮司だ。

だから、毎日この無人駅から山の頂上へと続く道を上ってゆくわけなのだ。


祖母は黒塗りの車を寄越してくれるというけれど、そんなことしたら学校で何を言われるか分からないから、と私は断った。


……でも、流石にこんな日はキツイ。



神社の前に差し掛かった時だった。


「そんなにずぶ濡れでは、風邪をひいてしまいますよ?」

不意に、誰かに声をかけられた。
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