雨の日の神様
ピンポーン……

やっとの思いで家にたどり着いて、門のインターホンを鳴らす。

「はい、どなたでしょうか?」

女の人の声がした。

最近から家政婦をしてくれている菜々子さんだ。

「千鶴です。ただいま戻りました」

「まぁ、千鶴ちゃん!お帰りなさい」

インターホン越しの声が華やいで、門が自動でキィ、と開いた。



自分の家でインターホンを鳴らすなんて、変と思う人もいるかもしれない。

でも、神守家は自分で言うのもなんだけど、合鍵で勝手に入れない程度に立派な家なのだ。
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