碧空
「大丈夫ですか!?」

ドアを乱暴に開けた人は…

「成宮君?」

「松原さん?」

同じクラスでサッカー部に所属してる成宮 慎太郎君だった。

「え、ケガしてる?」

「うん、手がちょっとね…」

あたしはケガした手を見た。

「ごめんね。俺の蹴ったボールのせいで」

「気にしないで。大した事ないから」

成宮君がいい人そうで良かった。

「……松原さんは写真クラブだよね?」

「うん、この綺麗な碧空を撮りたかったの」

あたしはゆっくりと碧空を見た。

…やっぱり、いつ見ても綺麗だな。

「…あ、本当だ」

嬉しかった。
成宮君があたしに共感してくれて。

──これが成宮君とあたしの儚くて、美しい恋の始まりだった。
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