貴方に魅せられて
線香をあげ終えると
私の机の方へ来た。

ネクタイに手をかけ
人差し指でネクタイをシュシュっと
音を立てながら外す。

その姿に大人の男を感じる。

私の椅子の真後ろに立ち
私を椅子ごとくるっと机に向けた。
そして、かがんで本屋の時のように
私の横からノートを覗き込む。

目が悪いせいか、目を細める翔平さん。
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