貴方に魅せられて
私たちは高速に乗っていた。
そして私は必死に戦っていた…

そう…車に酔いそうだ…

宮城さんの運転するリムジンとは
訳が違う。
フェラーリの加速するたびに
体にかかるGがすごい。

「おい。」

翔平さんが低い声で私を呼ぶ。
今は、ドキドキしない。
酔いと戦うのに必死だからだ。

「酔っただろ。」

翔平さんが面白そうに尋ねる。

「まだ…酔ってない。」

そう…私は酔ってない。
酔ってないんだ。

そういい聞かせている。
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