貴方に魅せられて
「風にあたりすぎだな…行くか…。」

ふっと離れる翔平さん。
もとの腰に手を回す体勢に戻った。

その表情の意味は何?
なんで今そんな困った顔をしたの?
翔平さんは私を抱きしめても
なんとも思わない?

ただ、からかいたくて
私の表情を見たくて
それだけでこうして
わたしに構うの?

それ以上の意味はないの?

こんなに好きなのは私だけ?

私は貴方にとってどんな存在??
私の気持ちを伝えたら
私を見てくれますか?

いつの間にか
私の恋心は欲張りになっていた。

翔平さん…
私は貴方に愛されたい。

灯台の階段を下りながら
私はずっとそんな想いを巡らせた。



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