貴方に魅せられて
部屋を出てロビーへ向かうと
そこには由香里さんが待っていた。

「…!!」

私は思わず由香里さんに駆け寄り
由香里さんの胸に飛び込んだ。
由香里さんは何も言わず
ただ、私の泣き腫らした顔を見て
全てを察知したように
優しく私を抱きとめ
頭を撫でてくれた。

リムジンでは宮城さんが
待っていてくれた。
宮城さんの優しい笑顔に
ほっとする。

宮城さんも私の泣き腫らした顔を見て
複雑な表情を見せたが
すぐ優しい笑顔になり

「麻衣様…帰りましょう。」

そう言ってドアを開けてくれた。

私の息抜き旅行は終わった。
私の恋心と一緒に終わった。
< 174 / 253 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop