貴方に魅せられて
「いただきます。」

私はスプーンを手に取り
オムライスを口に運んだ。

懐かしい味だった。
完全ではないが
母の味だった。

「…お母さん。」



「麻衣ちゃん、お誕生日おめでとう。」

優しい由香里さんの声。

「由香里さん、どうしてこのこと…
私話したことないのに…」

そう言うと
由香里さんは

「ほら、いらっしゃい。」

そう奥の厨房に向かって言った。
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