貴方に魅せられて
そこまで涼が言いかけた時
堪忍袋の尾が切れた優子さんが
ドアを思い切り開けてしまった。

ちょっ!!優子…顔こわ…

当然びっくりしてこっちを見る2人。
優子の顔を見た
杉の血の気が引いて行く。


…が涼の顔色は変わらなかった。
むしろ笑ってる…?

そしてよっこらしょ…
と言いながら立ち上がり
わたしに近づいてくると

「そういうわけだからよ。
悲劇のヒロインちゃん。」

そう言っていつものように
ポンポンと優しく
頭をたたいて去って行った。

わざと…わざと私に聞こえるように
話してたんだ…

ここに来るのはわかってたもんね。
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