貴方に魅せられて
まいまいと呼ばれたことは
流すことにした。
いちいち気にしてたらこの人とは
付き合っていけないと察知した。

手際良くわたしの髪を扱い
コテで軽く巻いてくれ
化粧も薄くしてくれた。

その間もシマコの口は休まらなかったが
そのおかげでこの数時間で
すごく仲良くなれた。

でも、時折仕事に集中する顔を見せる
シマコにはなんだかどきっとした。

「はい!できあがりぃー!」

鏡の中には
さっきの自分とは全く別人の私がいた。


「すごい…こんな大人っぽく
なれるんだ…」

嬉しかった。
シンデレラにでもなったような
気分だった。

「ゆかりん終わってるみたいだから
呼んでくるわね。」

自分の仕事の出来に満足したシマコは
小躍りしながら
由香里さんを呼びに行った。
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