貴方に魅せられて
何冊か選んでいる間
ずっと翔平さんを見ていた。

一番高い所にある本も
楽々手に取り
パラパラと立ち読みする。

なんて絵になるんだろう…
しばらく見とれていると
本を選び終わった翔平さんは

「ありがと。貸してそれ。」

そう言って
私の手にあった参考書を
取り上げた。

「あ!」

有無を言わさず
そそくさと会計を済ませて
私にポンと渡してくれた。

「あ…ありがとうございます。」

私がそう言うと
少しだけ口角をあげて
本屋に併設するカフェを指差した。
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