恋愛小説は難しい
まあとりあえず俺ん家来いよ、と買い物もそこそこに引きずられて三井さんの部屋に連れてこられた。犯罪じゃないの?と思うけど言わない。


三井さんの部屋は私の隣だから、結果私の家に帰ってきたのとほぼ変わらないんだけど。


そういえば、玄関先まで入ったことはあるけど、中まで入ったのは初めてだなー。


家具はモノトーンでシックにまとめられている。

ひきこもりだしもっと汚いかと思ってたら、意外にもすっきりしていた。



「意外に部屋きれいですね三井さん」

「おまえいちいち腹立たしいなほんと。人がせっかく招いてやってんのに」

「招いてほしいなんて言った覚えないんですけどね」


うるさい。と言って、三井さんが湯のみに入ったお茶を出してくれた。

毒でも盛ってる……?

なんて警戒するけど、三井さんはかまわずにさっきの発言の事情を話しはじめた。
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