やっぱり、無理。



というのは。



まりあの挨拶にホッとした薫さんが。


とりあえず勉強をみてもらえと言いだして、それに対してまりあが。





「それは、無理。山岸さん、うちに来る前にどういう状況だったか分かる程女物の香水キツくて。ずっとそばで勉強教えてもらうの、耐えられないから。てゆうか、家庭教師先に来るのに、どういう神経してるの?バイトでも、一応仕事よね?しかも、今日は初日。初対面の日って、特に重要なんじゃないの?」


「・・・・。」





生意気な、ガキだと思った。



だけど、それは正論で。



ガキの家庭教師なんか、っていう気持ちがあって。



ここへ来る前に気晴らしにセフレを呼びだし、ホテルに寄ったのは事実で。



あまり神経質ではない俺は、その時初めて女の香水が自分に移っていたことに気が付いた。



そおいや面倒で、シャワーも浴びなかったことを思い出した。



まあ、服も脱がなかったしな。



改めて、そこで自分の失態に気が付くこととなった。




確かに、まりあの言うとおりだった。



面倒でもそれを引き受けたのは、俺。



確かに、引き受けた以上仕事なのに。




俺は、まりあを見た。



まりあは、俺をじっと見つめていた。



それは、もう。




たまんねぇくれぇそそる目で――



あり得ねぇ事に。



俺はその日、15のガキに。



あっけなく。





堕ちた―――








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