やっぱり、無理。



朝飯を食った後、昨日からしていないメールチェックの為パソコンに向かう。


その後、2ヶ月後に開催されるNYでの学会用の原稿のチェックも済ませリビングに戻った。



まりあは相変わらず、几帳面で。


昨日、一昨日で散らかした部屋は綺麗に片づけられていた。


頭にきてそこらへんの物をぶちまけたから結構手間がかかっただろう。


だけどそれも俺と簡単に別れようなんて、出来もしねぇのに言うからだ。





キッチンの床を雑巾がけしたのか、洗った雑巾を広げているまりあに出かけるから用意しろと言うと、恨めしそうに俺を睨んできた。




「何だよ?」


「腰が、痛い。」


「そら、勝手に誤解して、拗ねて、俺をイラつかせて、2日分俺を溜めたお前が悪ぃ。自業自得だな。」




そういうと、クッションが飛んできた。


まりあは俺に口でかなわないと、物を投げてくる。


まあ、柔らかいものを選んでというところが、可愛げがあるが。


あっさりキャッチしてニヤリと嗤う俺を見て、まりあは大きな舌打を残してクローゼットへと消えていった。





まりあと出会って、6年。


今更、別れるつもりも、離すつもりもねぇし。


そろそろ、ちゃんとしたいと思って先日まりあんちで飯食った時に、薫さんとママさんの前で言ったんだけど・・・多分、まりあには全然伝わってないだろうな。



あいつは、肝心なところで、ネガティブだ。




本当に、面倒くせぇ女――







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