やっぱり、無理。
「あー、もうっ。せっかく、片づけたのにっ。なんで、新聞読むのに、チラシをそんなあちこちに広げてるのっ?」
ルームウエアから外出用の服に着替えてきたまりあが、目ざとく文句を言ってきた。
「ちらかってるくれぇで、人間死なねぇよ。」
「また、そんなこと言って・・・片づける身にもなってよ。たった2日であんなになるなんて、信じられない。」
口を尖らせながら、まりあがそう言った。
俺は、まりあを見つめた。
そして。
「なら、2日も空けるな。毎日、片づけるようにすりゃあいいじゃねぇか。」
「・・・・え?何?・・・ま、まさか?」
まりあが俺の言葉に、目を見開いた。
俺はまりあを見つめて、頷く。
やっと、気が付いたか・・・。
だけど。
この女は相変わらず、どこまでもネガティブで面倒くせぇ女だった。
「ええっ、毎日片づけに来いって、ジロー!?少しは自分で片づけること覚えてよっ!!」
全く、俺の気持ちは伝わっていない・・・。
ったく。
本当に、面倒くせぇ。
俺は、大きくため息をつくと。
「バカ野郎!!ここに片づけにくるんじゃねぇっ!!ここに住めば、毎日片づけられんだろっ!!俺と一緒に住めっつってんだよっ。つうか、お前の親にはもう了解とってあるっ。」
そう叫んだ。
まさか、この言葉の真意も、伝わっていなかったなんてこの時は思わなかったが。
まりあは、本当に、面倒くせぇ女だ――
だけど。
面倒だが無理だとは思ったことは、一度もない―――