パステルデイズ
こうやって何にも縛られずにただ時の流れに身を任せるのなんて始めてやったことかもしれない。

周りにあるのは川と草むらと田んぼだけ。

頭の中には何も浮かんでこなかった。

ただただ草むらの匂いを一身に感じながら空の雲の流れを目で追う。


「あ、あの雲ソフトクリームみたい…」

自分で言ってふふっと笑う。

なかなかメルヘンな例えだ。

「なんかアイス食べたくなってきたな〜。」








「食う?」











私は驚いて飛び起きた。

返ってくるはずのない返事。

聞き覚えのない声。




そこにいたのは背の高いコンビニの袋を持ったアイスを食べている少年だった。
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