パステルデイズ


少し距離をとって私は隣に腰を下ろした。




「なんでいきなりアイスくれたの?」


「だってアイス食べたくなってきた〜って言ってなかった?」


「いや言ったけどさ。」



「だったらいいじゃん。」





それ答えになってないよね。




そんな適当な返事しか返ってこなかったけど私は続きを聞くのをやめた。


きっとこのまま聞いても同じような答えが返ってくるだけであろう。






諦めてアイスの蓋を開けることにしてふと隣にいるたった今出会ったばかりの少年を見た。


パッと見たかんじ同じ年くらいかな?



そういえばきちんとまだ顔を見ていなかった。






綺麗な顔だった。







イケメンとか美形とかじゃなく綺麗なんだ。



サラサラの黒髪、前髪は少し目にかかる長さでその下に切れ長の瞳が見えた。


綺麗な二重を描いており鼻は高く筋も通っている。唇の形もよく横にほくろがあるのが特徴的。


そしてその少年は恐ろしくスタイルがよかった。8頭身くらいはありそうだ。ここまで顔の小さい男子を私は見たことがない。






完璧とも言える容姿。





でもなんだろう。






その少年にどこか影のようなものを感じた。







そしてその影は見た目が綺麗なだけに少年を儚げな雰囲気にしていた。






目を離したら消えてしまいそうな。








まるで幻のような男の子。





顔が見えたわけじゃないし、確信もないけどなぜか昨日駅で見かけた少年に姿がかぶった。






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