パステルデイズ
寝苦しくムシムシとする嫌な感覚で目を覚ます。

まだ覚醒しない頭にはどこからか聞こえるセミの声がガンガン響く。


ちくしょう、どこで鳴いてんだ。うるせぇったらありゃしない。


とりあえずカーテンを開ければ夏特有のギラギラとした日差しがサッとこの暗い部屋を照らす。

時計を見ればすでに午前10時をすぎていた。

まだまだ寝足りない気もするがなんとか低血圧気味の体を洗面所へと引きずる。

ヒタヒタと私の足音が聞こえるだけの家。

この家には私だけのようらしい。


まぁ家族がいてもいなくても1人は1人なんだけど。

両親は仕事で妹は部活だろうか。

顔を洗って鏡に映る自分を見る。


…やっぱりスッピンはキツいな。

染めたばかりの明るい茶髪にスッピンの薄い顔はアンバランス以外の何物でもない。

手早く化粧水と乳液をつけ日焼け止めとファンデーションを塗り始めた。
< 2 / 43 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop