パステルデイズ


今朝の目覚めはなかなか悪い。


原因はわかってる。



もともとの低血圧プラス寝不足。




あーーー体だるい。



ノソノソと布団から出る。





眠れなかった。




目を閉じるとあの瞳がでてきてしまって。



あの妖しい口元がでてきて。



指の感触を思い出して。




悔しいくらいドキドキしてしまう。






はぁ。顔のいい人ってほんと得だね。

ちょっと近づくだけでドキドキさせられるんだもん。

しかも慣れたかんじ。





「嫌な奴。」






絶対あれ自分がかっこいいことわかってるよね。あざといわ〜。




でもあれで女が全員オチると思ったら大間違いだからなバカ!ざまーみろ!



「おはよう。ふぁ…」


「おはようじゃなくてもうこんにちはだよ。随分よく寝てたねー。」


「いいんだよ夏休みなんだもん。」


おばあちゃんからのツッコミを華麗にスルーし冷凍庫の中を探る。


「ちょっとちょっと。起きてすぐにアイスなんてお腹壊すよ。」


「大丈夫大丈夫。」



アイスを袋から出して食べ始める。



「ゴミはちゃんと捨ててよ〜」


「はーい。」



ゴミ箱に捨てに行ったところで気づく。



あれ?昨日私あのアイスのゴミどうした?


もしやあのままでは…?





いやいやいや。さすがにあのアンポンタンが片付けてくれたでしょ。






…でも捨ててなかったら?





うーん。ポイ捨てはちょっと気分悪い。
ましてあの場所がちょっとお気に入りの場所になりかけてるから尚更。






マッハで支度を始める私。





「ちょっと出かけてくる〜」


「どこ行くの?」



「…散歩?」



「好きだね〜」



おばあちゃんは笑って言った。





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