パステルデイズ


目を閉じてはいるが足音と気配で彼が近づいてくるのがわかった。




「くつろいでんな〜。俺の場所で。」


「だからしつこいってば。別にアンタの場所じゃないし。」


ボスっと隣で寝転がる音がする。


「まあいいや。貸してやるよ、ここ。」



目を開けて隣を見ればさっきより幾分穏やかな顔でこちらを見ていた。




「それはどーも。」



そのまま2人で寝転がったままただ時を過ごす。





昨日も思ったけどこの男との無言の空間は居心地悪くはない。



基本私は無言の空間は苦手だ。


それは相手が男でも女でもそう。


そういう状況になると気を使ってこれでもかというほど饒舌に喋る。



というか無言をつくらないように話を広げる。








無言って嫌なんだよね。


そのまま何も話せなくなりそうで。



誰かと中身のないバカみたいな話をしてれば何も考えずに笑っていられる。



それが光の私を維持しているコツ。
< 27 / 43 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop