パステルデイズ
どれくらいそうしていただろうか。
「あっちぃ…。」
この太陽の暑さにどうやら限界がきたらしい。
立ち上がった彼は額にかいた汗をぬぐっていた。
そういう私も汗だくだけど。
腕時計を見ると家を出てからもう1時間はたっている。
「私もそろそろ帰ろうっと。」
そう言って立ち上がる。
「ありがとね。ここまで案内してくれて。」
「おー。」
「じゃあね。」
そう言って彼の横を通り過ぎる。
「いいよ。」
唐突に言い出され立ち止まる。
「えっ?なにが?」
「ここに来ても。これから先。」
うーんと伸びをしながら彼は言う。
「とっておきの穴場だけどね。特別に使わせてやるわ。」
こちらを振り返る。
「お前なら一緒にいても疲れない。俺の邪魔したりしないし。」
そう言って少し微笑んでみせた顔をああ綺麗だとそう思った。