パステルデイズ
おばあちゃんと、今日は珍しく出かけてないおじいちゃんと3人で、スイカを食べながら談笑。
食べながらチラリと壁時計を確認。
時刻は午後3時40分をさしていた。
「ごちそうさま。ちょっと出かけてくるね。」
「ん?どこ行くんだ?」
おじいちゃんが不思議そうな顔で聞く。
「散歩。ちょっと太陽が弱まってきたら行くようにしてるの。」
「最近、菜美はよく散歩に行くのよ。」
「そうか。でもまだ暑いからな。熱中症にならないようにしろよ。」
「はーい。」
「帰ってきたら宿題するんだもんね?」
ニコニコしながらおばあちゃんが尋ねる。
「も、もちろん。」
うーん。うまく返せただろうか。
顔引きつってたかも。
アイツに河原に案内してもらってから1週間。
私は毎日散歩と称して(別に嘘じゃないけど)、あの河原に行くようになっていた。
おばあちゃんには、勉強の合間のリフレッシュと運動不足解消だというと笑っていた。
服装や髪型はいつもと同じ。
今更着飾る気もおきない。
時計をみればすでに3時50分。
「じゃあいってきまーす。」
特に待ち合わせをしてるわけでも、約束したわけでもないけど
私と彼は、4時にあの河原で会うようになっていた。
毎日毎日何をするわけでもない。
ただ2人で寝転んでいたり、話をしたり、軽口を叩いたり、アイス食べたりと中身のないことをしている。
それでも、私にとっては大切な時間になっていたのは事実。
こっちにくるまではあんなに悩まされていた頭痛は、今では嘘のようになくなっていた。